2014年07月15日

ウッディアリーナ朽木 その2

地域でつくったスギのアーチ

ウッディアリーナ朽木は、高島市朽木の中学生たちがかつて
手入れをしてきた学校林のスギと市有林のスギの天然乾燥材を用い、
地元の製材所と伝統的な技術に通じた地元大工の参加を前提に、
なるべく伝統的な構法を活用し、更に学校関係者のみならず
保護者、地域住民、林業など幅広い地元関係者と会議を重ね
設計を進めることが求められた、文字通り地域の材と人の手で作られた
小・中学校共同利用の地域体育館です。

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中学校校門から見たウッディアリーナ。
奥が中学校で、手前は道を挟んだ小学校にわたるブリッジとギャラリーです。
アーチ屋根のメインアリーナ前にサブアリーナがあります。

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材の伐採の開始時には「黎明の集い」という式典が開かれ、
児童・生徒・保護者らが参加しました。
生徒たちは林業関係者の伐採や枝打ちの実演を見学し、
伐採したスギの皮を剥ぐ作業などを体験し、
材がどのように育てられたかを学んでいました。

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伐採した材は山で葉枯らしの後、地元の製材所に運ばれ、
製材され桟積み乾燥されました。
伐採以後も、製材や建設の主な段階ごとに児童・生徒らのための
見学会が開かれました。

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乾燥し部材の寸法に合わせ製材された材が、木工事を担当する工務店に渡され、
そこで部材の細かい加工がなされます。

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加工場でアーチの構造体を半分ずつ、組み合せて、
スギの部材同士は樫の木のダボでつなぎ、それを鋼棒で締めて、
38個の半分のアーチがつくられました。

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現場でアーチを左右半分ずつ吊り込み、キーストンにあたる部材で結び、
重さを掛けて馴染ませたのち、19列のアーチをつないでゆきます。
積雪時に大きな力の掛かるアーチの橋脚にあたる1階部分は鉄筋コンクリートで、
高い精度でつくられています。

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アーチの材料の製材に合わせて沢山とれる板は、体育館のインテリアに用いました。
人がぶつかる可能性の高い1階の壁は柔らかいスギを用いているので、
全部スギで出来ているようにも見えます。
床に映るアーチ外の風景が、水面に映る風景のようでもあります。

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大きな橋のように掛かる屋根。錦帯橋よりはずいぶん幅が広い橋です。
完成から3年が過ぎ、地域の風景に溶け込み、大切に使われています。
地域の材と地域の人の手でつくられた文字通り地域の体育館です。

多くの関係者・技術者の協力で作られた体育館ですが、出発点となる
地域の人々の熱意がなくては生まれなかった建築だと感じます。

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早春の錦帯橋、何度訪ねても見事な眺めです。
広島在住の折にはしばしば訪ねました。

(IMAI)
posted by gkk-tokyoスタッフ at 23:24| Comment(0) | 建築設計・計画部門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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